プロパン酸
1-プロパノールを酸化するとプロパナールを経てプロパン酸になる。
この物質は炭素数3の脂肪酸でそんなに有名ではないかもしれないが
2番目の炭素原子には2つの水素原子とメチル基とカルボキシル基がついている。
そう もうおわかりだと思うが
この水素原子1個をメチル基やカルボキシル基以外の置換基に変えると
2番目の炭素原子は 不斉炭素原子になる
アミノ基に変えれば 2-アミノプロパン酸 すなわち アラニン になり
ヒドロキシ基に変えれば 2-ヒドロキシプロパン酸 すなわち 乳酸 になる
どちらも現在の 化学? の教科書に必ず載っているはずである。
IUPAC名:2-アミノプロパン酸 慣用名:アラニン
人体を構成する20種類のアミノ酸の1つだが
不思議なことに天然に存在するのは L-アラニン のみで
その鏡像体の D-アラニン は存在しない。
ふつうに化学合成すると半分ずつの混合物 DL-アラニン(ラセミ体という)が生成する。
30年くらい前の値段だと 500gで
DL-アラニン ¥5000
L-アラニン ¥50000
D-アラニン \500000
くらいだった。
IUPAC名:2-ヒドロキシプロパン酸 慣用名:乳酸
嫌気呼吸の1種である乳酸発酵(解糖ともいう)によって生成する
筋肉の中にたまると筋肉疲労になると昔は言われていたがどうなんだろう
結局この乳酸はいずれ好気呼吸によって代謝されるはず
これも天然の乳酸は一方の鏡像体だけらしい